会報掲載文章

2019年3月号より

入笠山

斎藤 優子

 2月10日〜11日、総勢9名で入笠山へ行ってきました。10:00のシャトルバスに合わせて富士見駅に集合。キリッと冷えた空気を感じながらシャトルバスの列に並びましたが、10:00になってもなかなかバスが来ませんでした。寒い寒いと震えながらバスを待ちました。ようやく来たバスは満員御礼、10分ほどでスキー場に到着しましたが、ゴンドラの切符売り場がこれまた長蛇の列。1時間待ち!と言われましたが、そこまではかからずなんとか切符を入手し、ゴンドラに乗り込みました。そこから30分弱歩いてマナスル山荘本館に到着しました。ここは大人気の山荘で、この日も焼きたてパンやビーフシチューなど、名物メニューを注文する人たちでごった返していました。楽しみにしていた山荘のランチは諦め、持参した行動食でお昼をすませました。13:30に全員でまずは入笠山へ向かいました。20分ほどの道のりなのですが、なかなかの急登に汗が吹き出します。雪が例年になく少なく、スノーシューを履いた人たちは所々むき出しの岩に苦戦していました。我々はスノーシューは早々に諦め、ツボ足やアイゼンで楽々登っていきました。山頂も大勢の人で賑わっていました。山頂には全く雪がありませんでした。風もなく、暖かい山頂で、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳と360度の大パノラマをゆっくり堪能しました。その後、入笠山を降りて、次は大阿原湿原を目指します。湿原といっても冬は平らな雪原…夏にはどんなお花が咲くんだろうと想像を膨らませました。次はテイ沢という沢沿いに入っていきます。アイゼンを履いてのやや頼りない木の橋に緊張する場面もありましたが、沢にはった氷の芸術など、景色の変化を楽しみながら歩くことができました。沢沿から林道に出たところで、そのまま林道を歩いて16:00からの飲み放題スタートに直行!のグループと、せっかくだからもう少し歩こうのグループと、二手に別れました。後者のグループは、林道から急な斜面を登っていき、中央アルプスを望む高座岩とその先の高見岩を経て、林道に降りていくルートでした。少しの寄り道のつもりでしたが、侮れない急斜面で、大汗をかいてしまいました。「ビールが美味しくなっちゃうね!」と話しながら登りました。法華道と名のつく道で、仏像や石碑が所々にあり、楽しい寄り道となりました。林道に戻ってからは、一直線に山荘を目指して歩きました。途中、北アルプスがどーんと見えるところがありました。雲が取れ、穂高や槍がくっきりと見えました。小屋に到着してからは飲み放題スタート!マイカップ持参2000円で生ビールや信州の地酒が飲み放題です。萩原さんはビール用のガラスのジョッキに、特大マグカップ!藤本さんはガラスのおちょこ持参。恐れ入りました!今回は山行というよりも宴会企画でしたね。飲み放題に気合入れすぎでのぞみ、夕飯後はコタツで爆睡してしまいました。これ、斎藤のいつものパターンです。今回もやってしまいました…
 11日は朝食ののち、みなさん早めに下山。私は井上さんとソリ遊びをしたり、山荘でのんびりお茶をしたりしてから下山。下山後も温泉に入って、ビールを飲んで…のんびりと帰って来ました。
 マナスル山荘はサービス満点。今度はお花の咲く夏に訪れたいです。


                               マナスル山荘の看板犬“アジ”










    高座岩から中央アルプスをのぞむ


     メインイベント!飲み放題〜

























ページTop

2019年03月04日会報掲載文章:掲載文章

2019年2月号より

安達太良山(2018年12月23日~24日)

林 裕至

                   メンバーは、篠原会長、沢田さん、藤本さん、生垣さん、井上さん、自分の
                   6人。23日朝7:00に町田をレンタカーで出発して、12時40分奥岳の湯の公営駐
                   車場に到着。
                   安達太良山の奥岳登山口に面した安達太良高原スキー場はスキー客で賑わっ
                   ていた。さあて、我々は身支度を整えて、くろがね小屋に向けて出発。
                   勢至平への道には、数か所、長くて穏やかな馬車道とショートカットして登
                   れる直登の旧道の分岐がある。


会長と私は馬車道を、残り4人は旧道を
登った。旧道を登った4人は流石に早い。
分岐で待っている。
私はといえば、会長の速度にもついていけ
ず、ハアハアフウフウ、背中に汗をかきな


                   がら登った。雪道はしんどい。歩くこと2時間半、くろがね小屋に到着。
                   くろがね小屋は県営で、2020年3月末に小屋を閉めて、4月以降に建て替えが
                   予定されている。
                   外観はきれいであったが、中は年代を感じさせるものであった。
                   されど、白濁のお風呂は良かった。


温泉を満喫できた。
2階の寝床も、吹き抜けの1階のストー
ブのおかげで暖かかった。
小屋はそこそこ混んでいたが一枚の敷き
布団に二人寝ることもなかったし、明け


                   方も寒さを感じることなくよく眠れた。
                   翌朝、朝食後7時半、小屋を出発。「天気とクラス」の予報では「C」だった
                   し、小屋の天気予報表示も曇り。安達太良山は風が強いという。
                   登頂できるのかななんて思ったが、登る途中、晴れ間も覗いてきた。
                   ようし! いいぞなんて思って登って行ったら、峰が辻に着いた時には風が強


くなってきた。更に、頂上まであと1時間
位かなというところまできたら、強風に
煽られる。トレースもない。
少しづつ進むのがやっと。我々の他に2
パーティが山頂を目指していたが、


                   断念して下山していった。会長がメンバーの意見も聞いて、下山を決断した。
                   これが、雪山を知っている熟練者の決断である。確かに、今、無理をしなく
                   とも次の機会がある。私としては、来年3月の小屋仕舞い前にくろがね小屋
                   に泊まりにきたいな。そして温泉をまったり味わって安達太良山に登るのもい



いかななんて思った。下山では、峰が辻
から峰が辻分岐へのショートカットルー
トを採った。この道は赤い道標テープは
見えるもののトレースはなくズボッ、ズ
ボッと足を取られながら下りてく。零下
の世界で汗が下着を濡らす。
山で命を守るのは良い下着である。汗冷えのリスクを減らすドライ素材のアンダーを着て体温調整を図る。奥岳の湯に下りて、汗を流し、さっぱりして帰路につく。途中、奥岳の湯で紹介して頂いたこの辺りでそこそこに有名だというお食事処成駒の名物ソースカツ丼を頂く。まあ美味しかったのだが、ボリュームたっぷりで食べ切れなかった。残念!今回の山行はいろいろな経験が出来た。経験豊富なさわらびのメンバーと一緒だからできた経験であった。感謝。

ページTop

2019年01月26日会報掲載文章:掲載文章

2019年1月号より

草戸山忘年山行

鈴木 敏幸

 12月16日忘年鍋山行に篠原さん・飯高さん・沢田さん・藤本さん・生垣さんご夫妻・林さん・鈴木の8名にて、城山湖周回コースからの町田市最高峰、草戸山初冬ハイキングに行きました。
 今年の忘年鍋山行は本来、大菩薩 大蔵高丸~破魔射場丸の予定でしたが、降雪の為タクシーが目的地に行けないとのことで、今回のコースに変更となりました。
 9時30分に青少年センター入口バス停下車、そこから初冬の里山を進み、町からそれ程遠くない里山なのですが、空気は冷たく畑は霜で真っ白、その様な中約10分大地沢青少年センターに到着、本来子供たちの遊具で大人たちがしばらく童心に帰る。

















      (木道気持いい~)               (遊具も気持ちいい~)

 青少年センターから約30分位登ると、湖を見下ろすことの出来る、はなさき
休息所に到着、そこから城山湖周回コースにでます。
 城山湖は揚水発電用の人造湖、現在点検の為に10年ぶりに水が抜かれた珍し
い姿を見ることが出来る。

                     湖畔の周回コースを進み、途中金毘
                    羅神社では正月準備の飾り付けそんな
                    中、昼食の鍋予定地の草戸山に向かっ
                    て進みましたが、野鳥観察休息所を少
                    し過ぎた所で雨が降ってきたため、野
                    鳥観察休息所に引き返しての鍋パーテ
                    ィーとなりました。
                     11時半から準備をはじめ、多くの具材を二個の鍋に入れ8名分の味噌
                    仕立てスープにうどんを入れ、13時まで鍋でお腹いっぱい暖かい食事を
                    頂きました。
                     食事を食べ終わり出発する頃にはすっかり雨も止み、次なる目的地草
                    戸山を目指し進みます。多少のアップダウンや階段を進み13時45分に町
                    田市最高峰草戸山(364ⅿ)到着、展望台からは橋本の町並みや東京の
                                         ビル群、遠く霞んでスカ
                                         イツリーなどの展望を楽
                                         しむことが出来ました。

 草戸山は高尾山方面にも行ける登山道も有
り、来週行われるトレランの試走の方や一般
ハイカーなど数多く人々が見られました。

 ここから青少年センターに向けて下山しま
すが途中境川源流を目指します。

14時25分境川源流到着、この場を借りてカミ
ングアウトしますが、私は源流好きで中学生
の頃自転車で瀬谷から境川源流を目指したこ
とがありましたが、辿り着くことが出来ず残
念な思いをした事がありましたが、この年に
なり叶うことが出来ました。
 15時過ぎに青少年センター到着そこで鍋山行終了となりました。
今回の鍋山行の準備をして頂きありがとうございました。

ページTop

2018年12月31日会報掲載文章:掲載文章

2018年11月号より

北アルプス 蝶ヶ岳~常念岳

中村 明

 9月18日(火)から20日(木)の2泊3日で、北アルプスの蝶ヶ岳~常念岳を縦走した。
 9月18日午前4時過ぎ自宅を出発、 中央自動車道八王子ICに乗り入れ、長野道安曇野ICを降り、鳥川林道を通って三股
臨時駐車場に午前7時半ごろ到着。 鳥川林道は一部道路崩落のため本来の駐車場から約2km手前の臨時駐車場に車を止めた。すでに5台ほど駐車していた。 8時前に出発。約20分
程歩くと道路下に約50台以上の車が駐車していた。
 さらに臨時駐車場があったのだ。本来の駐 車場を抜け
舗装路に別れ、地道を進むと三股登山口に到着。
登山届けを提出して山道に入る。直ぐに小さな吊り橋を
渡ると常念岳方面と蝶ヶ岳方面の分岐に出会い、蝶ヶ岳
方面を進む。30分ほど行くと先ほどより長い釣り橋に遭
遇。下には勢いよく沢が流れている。さらに進むと力水
という看 板がありここから蝶ヶ岳まで5.6kmの表示であ
る。午前9時 30分にゴジラの木に到着。休憩用の木製ベ
ン チがあったので一服することにした。なるほどゴジラ
の頭部に似ている。
 口のところには小石をならべて歯を模擬していた。
20分程休憩をとってから出発。1時間余りでまめうち平
に到着。ここにもベンチがあったので休憩。標高1,900m。
駐車場からは約700m登ってきた。休憩後、歩を進める。            ゴジラの木
 ところどころに木製の階段が増え始めてきた。息をつき
ながらも前進。停止する回数が増え始める。周辺はガスに覆われ遠くの山容がところどころ顔をみせる。森林限界を越えたあたりから晴れ間が見え始めた。もう少しで頂上だと気を振り絞るとテントと小屋が見えた。午後2時半に蝶ヶ岳ヒュッテに到着。手続を終え早速テント場に行くと10張りほどあった。小屋の人の助言に従ってなるべく這松の近くに設営した。落ち着いてからすぐ裏の蝶ヶ岳頂上に行っ
た。明日目指す常念岳や穂高連峰、槍ヶ岳、乗鞍岳や御嶽山を見
渡すことができた。穂高連峰は夕日で赤く染まり、感動的であっ
た。小屋の人に天候を確認したところ翌日の19日は晴れであるが
20日はあやしいとのこと。状況によっては19日で常念岳~駐車
場まで強行軍を強いることになる。テント内で夕食を採り、明日
のルートを確認して就寝したが、風が強くテントをはためかす音
と寒さでなかなか寝ることができなかった。隣のテントからはい
びき声が聞こえ、うらやましかった。19日は午前4時起床。
 外はすっかり穏やかで無風・晴天で絶好の登山日和である。朝食
をとったのちテントをたたむ。風のためか結露はなかった。地面
が少し濡 れている程度であった。隣のテントの人はもう発ってい
なかった。一 つ隣のテントの人は福島から来て前日駐車場を午後        蝶槍(手前)と常念岳
1時に出発し、5時にテント場に到着したとのこと。これから常念
岳から前常念岳を経て 駐車場まで行き、そのまま福島まで帰ると
の事であった。午前6時前にテント場を出発。常念岳をめざす。最
初は比較的なだ らかな尾根の縦走である。北アルプスの大パノラ
マを展望しながらの縦走は非常に気持ちがいい。登山をやってい
て幸せであるという実感が湧いてくる。蝶槍に7時前に到着、一服
する。ここからの常念岳の眺 めも素晴らしい。休憩後しばらく歩
くと体が暖かくなり、コルのところでダウンを脱ぎ長袖シャツ一
枚になる。常念岳頂上までは標高差約 400mあるがそれまでに2回
ほどのアップダウンがある。途中高齢者のグループとすれ違った。
横浜から来たという。常念岳を通りこれから 蝶ヶ岳に向って一泊
する。明日の天候を聞くと夕方までは持つとのこと。この言葉を
信じて今日19日は常念小屋テント場で宿泊することに決める。
 約2,600mと約2,500mのピークを乗り越えたあとは常念岳頂上ま          常念尾根から見る槍ヶ岳
で一気に登りであるが、中間地点で力尽き食事とした。常念岳頂
上には12時半前に到着。7,8名ほど先着者がいた。頂上からの眺め
も素晴らしくこれまでの眺望できた山々に加えて、大天井岳、常
念尾根から見る槍ヶ岳燕岳など360度見渡すことができた。しばら
く景色を楽しんだり、他の登山者と言葉を交わしたのち、午後1時
過ぎに常念小屋へ向かう。出発して約10分で常念小屋と三股登山
口方面の分岐点に着く明日 20日は三股登山口方面に行くことにな
る。そのまま常念小屋方面に向かう。しばらく行くと岩場を越
え、急坂となり麓のほうに小屋の赤い屋根とテントが2,3張り見え
る。常念岳と小屋は標高差約400mある。小屋は見えるがなかなか
到着しない。ジグザグの坂を疲れた足を引きずりながら午後2時半
前に小屋に到着。早速テントの手続きを済ますとともに明日の天
候を尋ねた。ゆう方まで持つということであった。テント場で良
好な場所を選んでテントを設営した後、小屋で水を補給した。小       行く手に常念岳が見える
屋には三股登山口方面へ行く道は急な坂が多く疲労遭難者が発生
しているので希望者は相談してくださいという張り紙がしてあっ
た。また、鳥川林道の工事による一般乗用車の通過時間が制限さ
れているとの情報も小屋で得た(蝶ヶ岳ヒュッテでも)。こうい
ったこともありテ ント内で夕食をとったあと、明日の行動を検討
し、なるべく早く発つことにするため起床を午前3時とし、床につ
いた。20日は3時起床。朝食を摂ったのちテントを片付け、5時前
に出発する。周囲はまだ暗い。
ヘッドランプの明かりだけが頼りである。前日下ってきた道を登る
のだが、暗くてわかりにくい。足跡でかためられたような道に従っ
て進む。 しばらく行くと赤のペイントがしてあったので一安心。急
坂を途中何回か一休みして6時半前に三股登山口方面分岐点に到着。
三股登山口方面に歩を進める。なだらかな道をしばらく行くと前方に小さく冨士山が見えた。岩場を過ぎると稜線の先に前常念岳が見える。ゆるやかな下り道で途中岩場もありヒヤリとするところもあったが比較的歩きやすい。
向かって右側を見ると先日歩いた常念尾根が手に取るように見える。蝶ヶ岳ヒュッテから蝶槍までのなだらかな稜線、蝶槍から2,3回のアップダウンを経てそこから常念岳までの険 しい
登りがまじまじとわかる。このコースを登ったんだという実感と
達成感を改めて噛みしめる。前常念岳には7時半頃到着。すぐ下 っ
たところに赤い屋根の石室があり、10人ほど雨がしのげる空間があ
るという。ここからの下りは大きな岩場がしばらく続き、緊張を強
いられた。出発してから4時間、標高2,300mくらいになると樹林帯
となり、少し楽になる。途中登攀者2名に出会う以外、人との出会い
はなかった。ラジオによると午後に雨が降るとのことで少 し焦る。
標高1,800mあたりで休憩をとる。駐車場まであと標高差で約600m
ある。
一般車通行可能時間と雨が気になり少し速足で降りる。
途中倒木や急坂とで足をとられる。                       前常念岳へと続く稜線
順調なペースであるが、足首を2,3回ひねった。
三股登山口に11時40分到着ここまでくれば気持ちも楽になり林道を
そのまま下って12時過ぎに臨時駐車場に到着。幸い雨と交通規制に
はかからなかった。 駐車場から5kmほど先の温泉施設で3日間の疲
れを癒し帰路についた。








                                       前常念岳からの岩場

      

 


ページTop

2018年11月05日会報掲載文章:掲載文章

2018年8月号より

鷹ノ巣谷沢

斎藤 優子

 朝まで雨、その後晴れてくるという予報の6月21日(木)、昼から広沢寺で岩トレ計画!前日が例会だったことと、午後になれば岩も乾いてくるという篠原さんのヨミで、ゆっくりスタートとなりました。11時開店のZUND-BARでオシャレラーメンのランチ。平日にも関わらず、食べているうちに店内はあっという間に満席となっていました。とても上品で美味しいラーメンでした。周りに何もないところなのに…すごい人気店ですね。
 昼頃まで霧雨が降ったりしており、地元の方に「こんな雨上がりはヒルがいるよ!」と脅され、ヒルよけをたっぷりスプレーしてから弁天岩へ向かいました。岩が乾くまでの間、トップロープのセットなどを十分におさらい。平日特典!貸切でしたので、存分にスペースを使い、「ビレイ解除〜!」と声だしも練習しました。岩が乾いてから、初心者のルートながら、萩原さんと斎藤と、二人で交代しながらトップロープをセットしながら登ることができました。登ってからの狭い足場でのロープさばきや上からのビレイ、誰にもチェックしてもらえない状況での懸垂のセットなど、冷や汗タラタラでしたが、実地で体験しなければ覚えられないことがたくさんあると痛感しています。亀の歩みですが、根気よく何度も手ほどきしてくださる篠原会長に感謝です。
 翌週6月28日(木)、篠原さん、萩原さんと斎藤に加え、世田谷山友会の青田さんにもご一緒していただき、鷹ノ巣谷沢へ向かいました。異例の6月梅雨明けで暑い日が続いており、水不足や異常気象は心配ですが、目先のことだけ考えたら沢日和!冷えることなく、水がとても気持ちいい1日でした。鷹ノ巣谷沢は人気の沢とのことですが、やはり平日特典、出発してほどなく釣り人お一人に会っただけで、静かな沢歩きでした。上流までずっとワサビ田の跡が続いていました。こんな深くまでわけいって石を積み上げ、ワサビを育てて…すごいことだなぁと思いながら登っていきました。あわよくば自生しているワサビを持ち帰りたい…と探しましたが、今回はかないませんでした。今回は、篠原さんと青田さんという熟練の沢オトココンビがご一緒ですので、いつにもまして心強く、安心して歩くことができました。
 沢ごとに色々な表情がありますが、鷹ノ巣谷沢は、小滝が続き、ロープを使うようなところは多くはありません。1箇所18mの大滝がありましたが、あとは歩きを楽しむ沢でした。と書くとのんびり歩いたようですが、沢自体が結構長い、ツメも急登でキツイ、登山道に出てからの下りもまぁまぁ長い、という、体力のいる沢でした。行動時間は休憩も含めて7時間でした。下山開始直後、篠原さんに必死で追いつこうと一瞬(無理して)がんばっちゃった萩原さんと斎藤。後ろから、「さわらびバカじゃないのぉぉぉ!頭わるいよぉ〜!」と青田さんに叫ばれて大爆笑でした。そもそも、ついていけるはずもなく…ちょっぴり無理して平気なフリで下山しましたが、翌日の筋肉痛が酷かったことはナイショ。「下山こそ安全に」はい、その通りです。
 「沢は嫌だ!絶対いかないよ!」とおっしゃっていた萩原さんも、3回目にして「沢楽しいねぇ〜!」と。ギアもどんどん揃って、あっという間に最新のおしゃれ沢やさんです。蒸し暑い1日で、沢が終わった途端に「沢に入りたい〜!」と言ってしまいました。夏は沢が最高です!


































◀︎この日一番の大滝


▶青田さんと篠原さんのサポートで安心!

◀︎いつもながら軽々です。忍者みたい。


▶涼んでいるところ

ページTop

2018年08月02日会報掲載文章:掲載文章

2018年6月号より

新緑ハイキング(奈良倉山~鶴寝山)

中村 明

 5月20日(日)JR上野原駅から富士急山梨バスに乗り、約1時間ちょっとで鶴峠(870m)手前に到着。絶好の快晴である。参加者は篠原会長、沢田山行部長、舩田さん、生垣さんご夫妻、林さん、その他2名の計9名である。準備運動等を済ませたのち9:38奈良倉山登山口を出発、細い山道を登る。すぐに篠原会長から蕨があるよと言われ、山道脇を見ると蕨が自生している。出発して約20分で振り返ると山梨百名山の三頭山が青空を背景にくっきりと見える。三頭山からの道は鶴峠を介して今歩いている道とつながっている。一列縦隊でゆっくりと登山
道を登る。新緑の半透明の木の葉が日光を受けて醸し出す明るい緑はこの
季節でしか味わえない。10:30頃ひと息いれる。10:50奈良倉山(1,349m)に
到着。ここは富士山眺望の名所になっている。
天候は良いものの、あいにく山頂あたりに雲がかかっていてその顔を見せて
くれなかった。約20分留まったが、雲は去らなかったので、その場を発ち、
松姫峠を目指す。ここからは尾根沿いの平坦な道で、すがすがしいひんやり
とした風を受けながら颯爽と進む。11:45松姫峠に到着。国道と交差してバス
停があり、乗用車が数台駐車していた。この峠は戦国時代末期、武田信玄の
娘が逃避行をしたとの伝説があるが、文明の風景との交錯もあり、その情感
は今一つ湧いてこなかった。                        新緑の中、奈良倉山を目指す
約5分の休憩後、牛の寝通りから鶴根山を目指す。
ややゆるい登り道を歩き12:12鶴根山(1,368m)に到着。ここでお昼にした。ここからの富士山眺望もよく、運よく雲もほとんどかかっていなかったので、青空を背景にした冨士山を見ながらの食事を満喫した。13時過ぎ、鶴根山をあとにし、トチノキの巨樹に向かう。あとは下る一方である。











        鶴根山                          鶴根山からの富士山

山沢入のヌタで小菅の湯方面への道に切り返す。13:30過ぎにトチノキの巨樹に到着。
幹に多数のこぶがあり、その巨大さも相俟って、威厳が感じられた。
地上から3m位の高さのところに縦長の穴が開いていた。
篠原会長が自力で根元の空洞から這い上がられ、その穴から顔をちょこんと出された。
近づいて空洞をみると割と狭くて自分では上の穴まで到達できそうにはなかった。
その木の前で集合写真を撮ったのち、小菅の湯を目指した。
20分程で三叉路に出、大菩薩峠方面をやり過ごし下って行った。
ところどころにワサビ田があり、網状フェンスで囲まれていた。
14:40に小菅の湯に到着。無事山行は終了した。
帰路はバスでJR上野原駅まで行き八王子駅で解散した。
奈良倉山まではややきつい登りでしたが、それ以降は比較的優しい新緑の季節にふさ
わしいコースでした。今回同行させていただきました皆様方ありがとうございました。




                                           トチノキの巨樹


ページTop

2018年06月17日会報掲載文章:掲載文章

2018年5月号より

沢はじめ!マスキ嵐沢

斎藤 優子

 季節外れの暑い1日となった4月22日、初夏のような絶好の沢日和に、西丹沢のマスキ嵐沢へ行ってきました。篠原さん、萩原さん、斎藤の3名です。
 新松田駅で待ち合わせ、西丹沢ビジターセンター行きのバスに乗り込みます。雲ひとつない青空、丹沢山開きと好条件が重なった日曜日、バスは大勢の登山者で満席でした。バスの中から富士山が綺麗に見えました。大滝橋バス停で下車し、畦ヶ丸への登山道を歩いていきます。しばらく歩くと、入渓ポイントには「マスキ嵐沢」とちゃんと看板が立っていました。装備を整えて入渓です。
 久しぶりの沢靴の感触を確かめながら、慎重に歩いて行きました。岩が白く、水は綺麗に澄んでいて、とても明るい沢という印象です。見上げると、新緑のやわらかい緑と、トウゴクミツバツツジでしょうか、鮮やかなピンクが本当に綺麗でした。途中何度も上を見上げたり、来た道を振り返ったりしては、「きれい〜!」と歓声をあげました。マスキ嵐沢は、初心者向きの沢ということですが、緊張を強いられる場面も何度もあり、なかなかの登りごたえ…と斎藤には感じられました。篠原会長の華麗なロープワークに今回もさんざん助けられての道のりでありました。それでも、水しぶきを浴びながら、大自然の懐に入っていく沢登りは本当に気持ちいいです。「今日大倉尾根を登った人たちは、汗だくだし、混雑で道の譲り合いが大変でしょうね〜」と、かなり自分勝手な謎の優越感に浸りました。本当によく晴れた一日で、濡れたウェアはどんどん乾いていき、冷えを感じることはありませんでした。
 最後に10メートルの岩壁を登り、落ち葉に足を取られながら詰めあげると、ほどなく稜線に出て、登り終わりです。下山は、西丹沢ビジターセンターへ降りて行きました。一般登山道ではないため、落ち葉が積もった道でした。尻もちをついたりしながら下山しました。下山するとちょうど3分後に発車するバスが待っていました。ラッキー!タイミングよく乗車し、のんきに眠ったりしながらバスに揺られていました。谷峨駅の先から事故渋滞に巻き込まれ、思いがけず時間をロスしてしまいましたが…気をとりなおして新松田駅前で沢はじめに乾杯し、帰宅しました。
 自然を心ゆくまで堪能でき、暑い夏にも気持ちいい沢登り。
 さわらびの皆さん、是非沢へご一緒していただけませんか?















   沢デビューの萩原さん。軽々です!           オブザベ中。私にはなかなか難しい。


ページTop

2018年05月09日会報掲載文章:掲載文章

2018年2月号より

渋の湯から東天狗岳、硫黄岳(2018年1月27~28日)

林裕至

 11:25 渋の湯到着。
今日は天気も良く、登山日和である。
渋の湯前は、登山者、登山グループで溢れていた。
皆、山準備に余念がないようだ。
隣のグループでは、リーダーがメンバーに装備について話している。
服装は、アイゼンは、ピッケルは、ストックは、等々。
それを聞くとはなし聞きながら、食事、仕度を整える。
12:25 黒百合ヒュッテに向かって出発。
樹林の中を歩くこと2時間、夏場は石がごろごろして歩き難いとの
ことであるが、今は雪が程よく積もってとても歩き易かった。
14:20黒百合ヒュッテ到着。やはり、混雑。
ザックをおいて、雪山訓練。未踏の急斜面を登って、下りる訓練。
思うように進むことができない。
歩き方を少し聞いた位では全く駄目ということを実感する。
手足の指先が冷たくなって痛くて痺れてきて、1回で早々に退却。
ヒュッテでは、モンベル会員サービスのグラスワインを飲んでほろ
酔いで夕食。
混雑で3グループに分かれての時間差食事。ハンバーグだった。
ネットでは評判が良かったけれども…。
20時就寝。
雑魚寝は仕方ないとしても上布団が一人一枚行き渡っていない。
たくさん着込んで寝てよかった。
夜中に数度、目覚めたもののまたスヤスヤ。
翌朝は目覚め良く5時起床。6時朝食。
装備を整えて、7:12ヒュッテ出発。
中山峠経由で東天狗岳。8:14到着。
頂上は見晴らし良く、360度パノラマ展望。
西天狗岳、硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳…がくっきり見える。
舩田さんが360度カメラで写真を撮っていた。
どんな写真が出来上がったのだろう。
8:34東天狗岳を後にして硫黄岳へ。
途中、ソロの登山者の方から、硫黄岳から赤岳鉱泉へはトレースも
なく危険という話があった。
かなり不安な気持ちになったが、会長の経験とリーダーシップは卓
越しているので安心してそれに従えば良いという気持。
硫黄岳は、登りも頂上でも下りる時も風が強くてふらついた。
やっとの思いで辿り着いた頂上も写真を撮ってすぐ下山(11:06)。
会長は迷うことなく、赤岳鉱泉から美濃戸口への下山コースをとった。
いざ下りてみるとトレースはあり、先に下りているグループもいた。
経験が浅くて判断力もさほど無い自分だったらどう判断するだろう、
良い課題が出来たかな。
12:30赤岳鉱泉到着。ここで、ゆっくり昼食。
12:50出発。
ここから美濃戸口バス停までコースタイム2時間30分の下山道。
14:45発のバスに乗るために下山を急ぐ。
ところどころバイパス道を通って13:20美濃戸口バス停到着。
バスには余裕で間に合った。
今回の山行もいろんな経験が出来、本当に楽しかった。
今回のザックの重さ(出発時)は11.6㎏。
持っていくものの選択も少しは上達してきたかなと思う。
会長、舩田さん、井上さんありがとうございました。









  赤岳鉱泉 氷の壁


ページTop

2018年02月07日会報掲載文章:掲載文章

2018年1月号より

常念岳、蝶が岳八海山(2017年11月3日~5日)

林裕至

 11月2日22時、会長と生垣さんの車に分乗して町田を出発。今回は常念岳から蝶
が岳への2泊3日の縦走。メンバーは会長、舩田さん、斎藤さん、生垣さん、藤本
さん、私の6名。途中のサービスエリアで車中仮眠をして、三股駐車場に車を駐車
し、タクシーで一の沢登山口に移動。
                   ここから常念岳を目指す。
                  タクシー からみた朝焼けがきれいだった。
                  今日はいい天気。幸先良し。
                   さて、今回の2晩はテント泊である。
                  私にとって、冬山でのテント泊まりは 初
                  めての経験 である。フリース、ダウン、
                  テントシューズを準備、冬用のシ ュラフ
                  は嵩張った。
                  これに、マット、予備 の衣類、サーモス
                  、その他、諸々を詰めたらザックはパン
                  パン。 重さは15kgオーバー。
                  背負って歩けるのだろうか、ちょっと心
                  配。
                   一の沢登山口を7:50出発。
                  8:10山の神到着。沢沿いの道を進み、胸
                  突き八丁に到着。ここから、急登が始ま
                  る。つづら折りの登山道を進み、13:10 常
                  念乗越到着。素晴らしい景色だ。
                  尖った槍の穂先が見える。
                  重いザックを背負いしんどい思いをして登
                  ってきたご褒美だ。
                  夕焼けもきれいだった。
                  さあ、ここでテント泊だ。
                  藤本さんと生垣さんは小屋泊り。
                  小屋は今年の小屋仕舞い。残念ながら、飲
                  み放題とまではいかなかっ たようだ。
                  さて、我々はテントの中で食事。
                  おいしかった。
                   山の上は最高の調味料かな。
                  食事を終えてシュラフで睡眠。
                  暖かくて、気持ちよくぐっすり眠れた。
                  次の日は打って変わっての悪天候。
                  テントを畳んで8:10常念小屋を出発。
                  9:40常念岳登頂。 
                  山頂からの景色を眺望することもかなわ
                  ず、次回登る時の楽しみに残して蝶が岳
に向かって通過。常念岳からの岩場を下る途中、ザックが重くて足がもつれた
のか、石の上で滑って、ザックの重みに振られて転げ落ちた。
2回転して、運よく岩の下で止まった。
更にザックがクッションになって少々頭と顔を打った程度で済んだ。
やはり、この重さに耐える体力、脚力が不足している。
ザックの重みで注意力が散漫になって、注意している積りでも岩の上を歩けば
面で滑って転ぶ。登山は体力、脚力 が原点だということを痛感した。
どんよりした空模様に雪あられ、更に風が強い。
しかし、寒さは感じない。
やはり寒さ対策の準備がよかったようだ。
そんなこんなで、14:40蝶槍に到着。
ここで常念岳を振り返ってみると白い雲と霞の間から山頂が見える。
これまた素晴らしい。
周りの景色は白く寒々とした荒野のようだ。
この中を歩いていると冬の山を歩いているということを実感する。
15:30蝶が岳到着。藤本さんと生垣さんは小屋泊。小屋の人が親切だった。
暖かい小屋の中で缶ビールで乾杯。風が強くてテントがパタパタしていた。
 3日目の朝、空は澄み渡り、蝶が岳の山頂からの日の出と槍、穂高の眺望を
堪能した。こんなにきれいな山並みを見ることができるようになったのは、
さわらび山の会のお陰かな。感謝しています。テントを片付けて、 蝶が岳か
ら2日前に車を駐車した三股駐車場に下りる。途中、ゴジラにそっくりな枯木
「ゴジラみたいな木」を鑑賞。ほんとにそっくりで楽しませ てくれる。
12:40三股駐車場に到着。ほりでーゆ~四季の郷で汗を流す。
やはり、山から下りて入る温泉は最高だ。お風呂の後の食事も結構おいしかっ
たな。帰りの高速では会長の車との待合せ場所のSAを通過してしまったことも
いい思い出でした。いろいろと経験した今回の山行でした。
やはりさわらび山の会は最高だ。
皆様ありがとうございました。




 

 

 

 

 

 


ページTop

2018年01月10日会報掲載文章:掲載文章

2017年12月号より

中央線沿線 高川山
                               沢田 康雄
 11月4日、お試し山行者女性3名と共に6名で中央沿線の高川山に行った。
初狩駅から登る一般的なルートとは反対に大月駅からの緩やかな登りのコースを選ぶ。
大月の市街地を抜けて、旧陸軍防空監視所跡が有るおむすび山に登る。大月の市街地が見渡せる。登るにつれて紅葉が目立つようになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高川山を望む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





岩場へ差し掛かる登り


コースの途中からこれから登る紅葉した高川山が望める。紅葉を楽しみながらゆっくりと登って行く。しばらく進んでちょっとした岩場を行くようになる。最後の急坂を登って頂上に着く。頂上からはちょっと霞んでいるが、御正体山や今倉山が望める。
各自景色を眺めながら昼ごはんを食べる。下りは傾斜の緩い女坂を下り、初狩駅に出る。

 

 

 

 

 

 

おむすび山
「大月防空監視哨跡」の標識がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穏やか天気のもと、
紅葉がまぶしい。

 

 

 





















高川山への緩い登り

高川山頂上

静かな散策道


ページTop

2017年12月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年9月号より

北穂&大キレット

斎藤 優子

 8月25日から27日、岩トレの成果を試すべく、北穂東稜を目指して篠原さん、甲斐さん、萩原さんの4名で北アルプスへ行ってきました。24日夜町田を出発し、さわんど駐車場にて仮眠。25日朝、上高地に入りのんびりと歩き始めました。徳沢についた頃から怪しい雲行き…横尾からは本降りの雨の中、なんとか涸沢までたどり着きました。音を立てて降る雨…明日はどうなるかと心配しながらも、昼過ぎから小屋で宴会するしかありませんでした。25日、予定の3時半に起床したものの、雨は激しく音を立てています。朝のうちに雨が止んで次第に晴れ、という天気予報を信じてゴロゴロしながら待つのみです。このまま涸沢だけで下山…なんてこともよぎるほどの激しい雨でしたが、7時頃、予報通り雨が止み、雲が晴れて穂高が見えてきました!時間的に東稜は残念ながら諦めざるを得ませんでしたが、南稜を登って大キレットを経て南岳まで行くことになりました。出発の準備を済ませ、テラスに出て穂高をバックに写真をとっていたところ、斎藤と同室だった女性パーティーのお一人が、会員の小島さんだったことが判明!しばし記念撮影をしたりして盛り上がりました。
 雨の影響で、南稜の前半は沢登りのような水の流れの中でした。小さくなる涸沢の小屋やテントを見下ろしながらぐいぐいと登っていきます。途中、東稜の取り付き地点との分岐からゴジラの背を見上げ、「ここを登るのか…本当に私にそんなことができるのか?」とその迫力に圧倒されました。近いうち登れるように精進しておかなければ。北穂小屋で小休止の後、いよいよ大キレットへ入ります!
 初めは急な下り。高度感や足元の不安定さに緊張しながら、慎重に下っていきます。朝までの土砂降りが嘘のように快晴となり、飛騨側には笠ヶ岳や黒部五郎、乗鞍岳、信州側には常念山脈などが全てはっきりと見渡せました。快晴すぎて、足元を覗くのはちょっと怖い…おまけに風があって緊張感に拍車をかけます。ずっと緊張しながら、飛騨泣き、長谷川ピークと越えていきました。振り向くと、降りてきたことが信じられないような壁の上に北穂小屋が、前を向けばカッコ良くそびえる槍が。本当に絶景!後半は少しほっとする稜線もありましたが、最後に登る南岳への壁が、また目の前にそびえています。きつそう〜と思いましたが、登り始めればハシゴもしっかりついていて、何とかなるものです。ゴールでは槍が迎えてくれました。そして南岳小屋に到着して一安心。篠原さんは「槍までいく?」と余裕でしたが、「いえいえ、疲れました〜」と南岳小屋で2泊目に決定。弱気な斎藤は迷わず小屋泊でしたが、お三方はツェルト泊。小屋で一息ついた後、ビールを片手に三軒お宅訪問♪一生懸命設営するみなさんの横で、野次馬斎藤は一人お先にビールを飲んでおりました。寒がりの私には、ツェルト泊は敷居が高そうです。夕陽を眺めてから眠りにつきました。
 最終日は、南岳山頂でご来光を眺め、天狗腹へ下山。この日はお天気の悪いこの夏一番の快晴だったかもしれません。富士山が見えました!南アルプス、八ヶ岳までくっきり。そして、天狗池に映る逆さ槍が見事でした!!槍沢ロッジへの道すがら、24時間テレビのクルー達が機材を担いで登っていくのにすれ違いました。残念ながらイモトには会えませんでした…槍沢ロッジからは早足競争!?3日間で一番きつかったんじゃないだろうか…と本気で思います。「横尾から上高地まで1,000円でバスに乗れたら…もちろん乗る!」「人力車なんてどうか?」なんて話しながらひたすら歩きました。もちろん徳沢園のソフトクリームは忘れませんでしたが。
 東稜延期は残念でしたが、私にとっては大キレットも緊張の挑戦でした。無事に歩くことができて嬉しいです。調子に乗って、今まで縁がないと思っていた穂高縦走にも興味津々。少しずつステップアップして、いろいろな景色に出会いたいです!皆さんにはザイルやガッチャを背負っていただいて、ただ一人軽量ザックを許していただいたからこそ歩けたわけなので、調子に乗りすぎないよう自制して…次こそは東陵へ!














      どんよりした天気の中出発                雨上がりの涸沢で小島さんと















          北穂山頂                        長谷川ピーク















     美しい稜線ですが、慎重に









                                  槍まですっと伸びている稜線















最終日は快晴で、逆さ槍が見事でした!               お約束の徳沢園のソフトクリームで
                                 お疲れ様!かんぱーい!


ページTop

2017年09月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年7月号より

創立山行「赤岳」6/10~11

6/10晴れのち薄曇り一時小雨。
今年に創立山行には、16名が参加した。
篠原チームは、小淵沢駅に集合、9:17発の小海線に乗車する。
清里駅で下車して手配していたタクシーに乗り、県界尾根登山口へ行く。
車でアプローチした横岳を目指す萩原チームは、先行している。
すでに、県界尾根近くまで行っているだろうか。
歩き始めると、赤岳山頂まで良く見える。
すぐそこに見える今日の目標だが、5時間の行程がある。

歩き初めは緩やかな道であったが、県界尾根へ取りつくところからやや
急登になった。
足元には、リンドウが咲いていた。

メンバー随一の健脚である甲斐さんのザックには、ワイン2本が入ってい
るが、先頭を歩いて、時々停まっては、皆を待ち、また先行して歩いてい
る。
すれ違うハイカーは、少なかったが、経路の様子を訊くと、残雪があるが
問題は無い様子を知ることができた。


中盤を過ぎた頃から、雲が湧いて風が出てきた。
八ヶ岳を横切る風が山頂付近で雲になり、湿り気が増してきた。
山頂を方面は、ガスがかかり始めている。
ぽつぽつと雨が降ってきたが、気になるほどではなかった。
コース上に残雪はあったが、ステップが出来ていて、思いのほか容易に
通過した。
小屋手前では、ハシゴ場とクサリ場が交互にあって、ここが県界尾根の
核心部だ。


赤岳山頂小屋は、以前、冬季に立ち寄ったことがあったが、小さな小屋の
印象があった。
入口が2階部で、1階部が宿泊部屋になっていると今回知りえた。
小屋に到着してからは、ストーブで体を温め、翌日の天候回復を心待ちに
して、くつろいだ。
甲斐さんが背負って運んだワインは、皆のお腹に収まった。


小屋の売店の近くには、ワゴンがおいてあり、ネパールのミトン、帽子、
マフラーなどが山積みされていた。どれも素朴な風合いで現地の写真など
でよく見かけるデザインをしていた。お土産にしたくなる品々であった。


2日目、朝、窓がオレンジ色になったことに気付いて、飛び起きた。
下方に雲はあったが、上空は待望の青空だ。
早出の登山者が、月と一緒に赤岳山頂にいるのが見えた。
小屋の宿泊者が外に出て日の出を見て、シャッターを切っていた。
6/11晴れ、7:00出発。
篠原チームは、赤岳から阿弥陀岳を通って御小屋尾根を下山して美濃戸へ
向かう。
一方、萩原チームは、真教寺尾根を下って、美しの森へ向かう。
互いに無事の下山を祈る。
赤岳山頂で記念写真を撮ってから、別れて下山開始した。
赤岳からの下りは、急なところもあったが、それぞれ軽快に下降した。
阿弥陀岳への登りは、急登だった。
前日の県界尾根の筋肉疲労がすぐに目を覚ました。
クサリ場を越えて前が開けたところが山頂だった。
遠く白馬岳、槍ヶ岳、穂高方面が見える。
北アルプスの山々は白い、まだ雪が多く残っているようだ。
そろそろ雪形が現れるであろう季節かと、思いを巡らす。
下方に薄い霧があって、山の上半分を見せている山は、乗鞍岳と御嶽山だ
と分かった。
剣ヶ峰はまで白い、まだ、スキーが出来そうだ。
方角を変えて見渡せば、甲斐駒ケ岳が大きく見え、南アルプス方面の山が
重なって見える。
時間を忘れる展望がうれしかった。
写真を撮って出発する。

阿弥陀岳からの下り、御小屋尾根はとにかく長い。
以前、登りで使ったことがあるが、今回は多くの仲間がいるので、少し時
間を忘れることができた。
篠原さんのお孫さん二人も元気に楽しそうでパーティーを明るくしてくれ
た。
入会して間もない西山さんも最後まで元気に頑張って歩いた。
御小屋尾根は、有名な祭りである御柱の切り出すところであるらしい。
後で調べてみようと思ったが、まだ調べていない。
鳥の声、ハルゼミの声を聞きながら、何回かの休憩をいれて、美濃戸に到
着した。


美濃戸の別荘地には、レンゲツツジとヤマツツジが淡いオレンジ色に咲い
ていた。
アスファルトの道は、歩きにくいなどと言いながら、歩いていると、先行
しているメンバーから、一つ前発車のバスにまだ乗れると声がかかった。
走ろうということになった。
バスは出発しようとしていたが、全員乗り込むことができ、一安心した。
最後はバタバタとしたが、八ヶ岳はいつ来ても良い山だと再認識しました。


















ページTop

2017年07月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年5月号より

春の那須岳(2017年4月29、30日)   斎藤 優子

 4月29、30日、篠原会長、藤本さん、船田さん、林さん、埼玉から中村さん、斎藤の6名で那須岳へ行ってきました。残雪期の春山の経験がまだまだ少ない私にとって、装備や服装に迷いながらの準備でした。
 29日は午後から天気が崩れ、雷が発生するとの荒れ模様の予報です。どんよりとした黒雲を見上げ、緊張しながらスタートしました。ザ・火山、というようなガレた斜面を慎重に登り、まずは茶臼岳に登頂しました。雪や雨が舞ってきたため、先を急ぎます。遠くに雷の音も聞こえ出し、緊張が高まります。しかし、晴れ男林さんのパワーのおかげで、黒い雲は那須岳に直撃せずに去ってくれました!青空ものぞくほどの天気になり、“延命水”でさらにパワーを得て、無事三斗小屋温泉煙草屋旅館に到着しました。初日は2時間ほどの行程でした。
 煙草屋旅館に到着後、まずは男性陣が露天風呂へ。
                        その後、女性専用の時間にゆっくりと青空のもと開放的な露天風呂
                        を満喫しました。
                        そして風呂上がりのビールの美味しいこと!中村さん発案“ぐるっと
                        自己紹介”、皆さんの華麗な山歴やさわらび山の会との偶然の出会い
                        などなど、びっくりしながら聞いているうちにあっという間に時が
                        経ち、太鼓の音を合図に夕食となりました。
                        夕食のあとはまた温泉やお酒、そして星空などを楽しみ、眠りにつ
                        きました。
                        翌朝は見事な快晴!温泉卵の朝ごはんの後、隠居倉を目指して登り
                        始めます。
                        温泉神社、モクモクと白煙が吹き上がる源泉地などを経由して行き
                        ました。
                        こちらの斜面にはたっぷりと雪があり、足が全部埋まってしまうほ
                        どの踏み抜き、雪の斜面で滑ってしまうなど、春山ならではの危険
                        も経験してしまいました…幸い怪我なく、何事も経験、ということ
                        でいいでしょうか!?雪のないところは泥んこ、こちらで滑る方が
                        嫌だなぁと思いながら。
                        そんな油断ならない足元でしたが、見上げれば青空、風もなく完璧
                        なお天気のもと、雄大なパノラマの中を三本槍岳、朝日岳と歩きま
                        した。
                        火山は恐ろしいものですが、火山のおかげで温泉やこんな雄大な景色がもたらされるのですね。とても気持ちのいい稜線歩きでした。朝日岳から峰の茶屋へのルートには、2回大きな雪渓のトラバースがありました。一度プチ滑りを経験してしまった私としては、だいぶ緊張!!慎重に一歩ずつ歩を進めました。
下山後は熱めの温泉で汗を流し、途中のサービスエリアで佐野ラーメンを食べ、帰り道も栃木を満喫して帰宅しました。
GWの渋滞の中往復とも運転してくださった篠原会長、色々とサポートしてくださった皆様、ありがとうございました!














ページTop

2017年05月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年4月号より

上州武尊山登山(2017年3月25日)  林裕至

朝6時、日本レンタカー町田駅前営業所を、篠原会長、藤本さん、滝谷さん、舩田さん、私の総勢5名で、出発。圏央道高尾山ICから関越自動車道に。上里SAで小休止。左に浅間山、前方に谷川岳、尾瀬の山々、右手に赤城山を見ながら、沼田ICを下りて、一路、川場スキー場へ。川場スキー場への道路は凍結していて少し滑りながら登坂。10時頃川場無料立体駐車場に到着。6階に駐車。
車の車外温度表示は、‐3℃を示していた。やはり、頂上は‐10℃位で相当寒いかなどと思いながら、装備を整え、スキー場のカウンターに登山届を提出。(この届けを行わなければリフトに乗れず、登山がかなわない。)
天気は上々。明日(26日)の天気は芳しくないとの予報だったので、これも今日(25日)という良い日を選んで下さった舩田さんのおかげです。カラフルなウエアーに身を包んだスキー、
スノーボードの客に混ざって、リフトに乗り込む。
2回乗り継いで、登山口に到着。天気が良くて無風状態に近くて暖かい。
リフトは快適で、眼下のスキーヤー、スノーボーダーの滑降、遠くの山々
の眺望を楽しみながらも、初めての雪道を歩く登山に緊張が高まっていく。
登山口は、標高が約1860mで、武尊山山頂までは登り下りはあるが約300m
の標高差。初めての雪山登山としては手頃で丁度良い。とても良かった。
皆様と天に感謝。
ここで、アイゼンを装着して剣ヶ峰山(標高2020m)目指して、いざ出発。
10時40分頃。おっと、いきなりの急登。でも、流石に百名山、トレースも
しっかりあって、アイゼンも効いて登り易い。
                   途中に穴の空いた箇所が1か所。穴があるよと声をかけて下さった藤本さん、
                   ありがとう。
                   なるほど、雪山は歩き易いけれど、危険も潜んでいるなと学習。
                   途中で、しんがりを歩いて下さっている舩田さんからアイゼンの止め具が外れ
                   ているよと注意されて装着し直し。
                   登山口での装着確認が杜撰だったかと反省。

                   汗をかきながら、剣ヶ峰山の頂上に到着。剣ヶ峰山からの下りは急斜面。
                   下りるときはアイゼンをひっかけないように声かけがあり、頭の中で、注意、
                   注意と思うも、誤ったらどこまでも落ちるなとの怖いの気持ちが先に立った
か、姿勢が垂直にならず、会長から注意を受ける。
アイゼンを信じて、ゆっくり、しっかりと足場を固めて、姿勢を正して下りれば
安全と自分に言い聞かせて下りる。また、ひとつ学習。
ここから先はほぼ平坦な雪道で、木のオブジェ、霧氷、遠く山々の眺望等を楽し
みながら雪道を歩く。武尊山への登りを途中立ち止まりのちょい休みをとりなが
ら、息を切らしながらなんとか登りきり、12時35分頃山頂到着(約2時間)。
山頂からの360度パノラマを楽しみながら昼食。風もなく、天気に恵まれ、谷川
岳、朝日岳、尾瀬、日光の山々を見渡せ、堪能しました。13時頃、武尊山山頂を
出発し、下山開始。来た道を戻りながら、途中、写真を撮っていた登山者の方に
教えられ、シュカブラ(雪の表面に作られた波模様)を写真に収め、剣ヶ峰山への最後の急登を登りきったのはよかった
                    のだが、急な下りに対応しきれず、下り道途中滑って、2m程滑り落ちる。
                    何とかブッシュの木で止まったから良かったが内心冷汗ものであった。
                    少し溶けた雪がアイゼンにくっつきアイゼンが効かなったのが原因のようで
                    あった。
                    最後にまたひとつ学習をしました。
                    14時20分頃登山口に到着(約1時間20分)。
                    アイゼンを外し、リフトを乗り継ぎ、スキー場カウンターに下山報告をした
                    後、車に戻り、帰り支度。15時過ぎ川場駐車場を出発。
                    往路と同じ経路を戻り、19時頃日本レンタカー町田駅前営業所に到着(所要
                    時間約13時間)。解散。
翌日、日焼けで鼻の頭を中心に顔面が痛くて、雪山登山には日焼け止めクリーム
が必需品であることを痛感。
末筆になりましたが、雪山登山に未熟な私がこれ程楽しく雪山を堪能できたのは
ひとえに会長、参加の皆様方のサポートがあったから、そして、往路、復路とも、
会長の安定した運転で、安全で快適なドライブでした。感謝致します。




ページTop

2017年04月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年3月号より

雲取山(H29年1月21日~22日)   舩田 園江

天気にも恵まれ2017年私の登山の始まりです。
〈1日目〉丹波バス停~サオラ峠~三条の湯(泊)
奥多摩駅からバスに乗り終点丹波に着いた時には、私たちグループしか乗っていなくて寂しい感じでした。
                 バス停の前にトイレがあり、トイレを済ませ体操をしてから出発です。
                 標高はすでに640m程あります。
                 最初は民家沿いの舗装道を歩き3つの金網フェンスを抜けいよいよ登山開始です。
                 天気が良い為か歩いているとポカポカし汗ばむ程、着る物を調整し登って行き約
                 1000m程になってくると登山道は深い落ち葉の絨毯に変わりちょっと歩きずらかっ
                 たです。やっとの思いでサオラ峠に到着です。サオラ峠は、飛龍山・丹波天平・三
                 条の湯の分岐点です。ここで昼食を摂り三条の湯を目指します。
                 サオラ峠を過ぎてからは下り道で雪道に、深い所は膝下まで積もっていました。
                 アイゼンを装着しないでの歩きのため慎重歩きです。時折、日当たりの良い所は
                 落ち葉の絨毯へと差のある道でした。途中作業道があり登山道と間違えそうな所も
あり何とか木々の間から小屋らしき物が見えた時には少し早歩きになっていました。
小屋に着き出迎えてくれたのは小熊のはくせいでした。
受付を済ませ小屋内へ、今日は30畳以上に8名の宿泊で広々です。
入り口直ぐには薪ストーブがあり夕食まではビールを飲んでくつろぎ時間です。
入浴の入替え時間が決まっていて夕食後男性陣は温泉へ。
その後、女性の時間となり私はゆったりのんびり一人貸し切り状態です。
1日目の疲れがすっ飛びました。私が湯上がり後部屋に戻ると、男性陣はすでに
眠りに入っていました。一人寂しくストーブの前でビールを飲み直し消灯前には
布団に就きました。

《2日目》三条の湯~三条ダルミ~雲取山~ブナ坂~鴨沢

2日目もとても良い天気です。
朝食を済ませアイゼン        を装着し、2日目のスタートです。
一年ぶりのアイ             ゼンの為かとても歩きづらいです。
三条ダルミま               では道幅が狭く片側が切れている道が多かったです。
三条ダルミ                 は、大きく開けていて眺めも良い場所でした。
一息入れて                  いよいよ雲取山へ。
ここからは                  急登でやっとの思いで避難小屋に到着です。
荷物を置い                  て雲取山頂上へ向かいました。

頂上からは                 とても眺めが良く富士山も綺麗に見えました。

右記の塔は今年限定のようです。

記念撮影をして避難小屋へ戻り昼食を摂り下山開始です。明るい尾根を下る。石尾根には防火線が切られ
明るさもあり斜面も程々で歩きやすかったです。途中ヘリポートもありました。
堂所を過ぎた所でアイゼンを外した。その後も、所々雪はあるもののゆっくり
歩けば大丈夫であった。「僕は先頭は出来ませんよ」と、言っていた林さんが
先頭となり歩き始めた。林さんは人が変わったかのように物凄いスピードで下
って行く。ちょっとついていくのが大変なくらいで汗も出てくる程だった。
今までは?と思う程。ようやく昔の感が?「アイゼンを外したら足が痛くなく
なった」と言っていた。その後もスピードは変わらず、ずっと下った。
舗道に近い所が凍結していてすってんコロリ他にも数名が(^0^)何だかんだで
無事下山する事が出来ました。
雲取山の標高は2017.1m今回2017年1月に百名山でもあるこの山に登頂出来た
ことはとても記念になりました。
ありがとうございました<(_ _)>
今年はさて何座登頂出来るかな~?

ページTop

2017年03月01日会報掲載文章:掲載文章

2017年2月号より

燕岳(ツバクロダケ)登山(2016/12/31-2017/1/1)    甲斐公従

あけましておめでとうございます。
12/31-1/1を北アルプスの燕山荘で過し新年を迎え燕岳に登ってきました。山名は雪解けの形がツバメに似ていることから付けられたとのこと。
例年、燕山荘で新年を迎え山頂で御来光を見ることがネットでアップされていて行きたいと思ってはいても3000m近くの気象条件や装備に自信が持てなかったこともあり先伸ばしていたが、近年の温暖化の影響もあり今年は比較的穏やかとの予報に、いても堪らず急遽30日の夜向かうことにした。
幸い帰省のピークは過ぎていて、およそ4時間弱で宮城ゲートに到着しギリギリで広い駐車場の片隅に止めることが出来てほっとする。多分2台目以後の車は止める所に苦労したことだろうとこの時期燕岳に登る人の多さを実感する。
燕岳の冬季登山の体験をするには燕山荘が開いている年末年始の
僅かな期間のみ可能で中房温泉から日本三大急登と言われている
合戦尾根から登るのが一般的、急登と言っても天候が良ければ雪が
ついた登山道は危険な場面も殆どなく合戦小屋を過ぎると展望も開
け快適な登山が出来る。
但し、宮城ゲートから中房温泉までの一般道の往復24kmを冬用
登山靴を履いて歩くのは結構シンドイです。ザックに余裕があれば
スニーカや軽登山靴で歩く方が楽でしょう。僕は往きに軽い靴擦れ、
復りに豆を潰して辛い思いをしました。

12/31
5:15大晦日早朝の寒さに、4時スタートの予定を1時間程遅らせる(泣)。

8:35中房温泉に到着する頃には気温や体温も上がり丁度いい体の仕上がりだが、脚はお疲れ気味。中房温泉テン泊の数人の登山者が準備していて急ににぎやかになる、小休止して登山開始、暫くすると登山道に徐々に雪が出てくるがサクサク状態でアイスバーンになることもなく登りだけに限ればアイゼンの必要性は合戦小屋までは無かった。

10:10第二ベンチ到着小休止、数組のグループが寛いでいる。

12:35合戦小屋に到着、夏は美味しいスイカが食べられるそうだがもちろんこの時期は閉鎖されていて食べることはできない。テン泊し燕岳に向かったのだろうか?数組のテント装備がまとめてデポされている。ここで小休止と尾根歩き風対策の防寒服とアイゼンを着用する。

13:30合戦沢ノ頭に登ると雲一つない展望が開け、燕山荘、燕岳、大天井岳、遠くに槍ヶ岳や振り返るとかなたに八ヶ岳、富士山までもが見え否が応でもテンションが上がる。

14:00燕山荘到着、下山者も含めて大勢の登山者で賑わっている、昨日の宿泊者は170名位、今日は200名位と静かでアットホームな正月を過ごせると思っていたのでその数にびっくり、これではいつもの土日と変わらない。
ここから燕岳が綺麗に見えていて、今日行こうか?明日の山頂で御来光を見るか?迷ったが明日の天気も良いとの情報で今日は燕山荘でゆっくり寛ぐことにする。
館内入ると既に雪対策であちこちがジャッキで補強され物々しい、降雪量の
多さを物語るようで雪山の厳しさを痛感。夕食時、小屋主人の赤沼さんから
小屋の操業当初からの歴史(97年間)や雪山の魅力、危険や近年の温暖化に
伴う雪の少なさ等についての説明を受けながらの年越しそばと一緒にお酒が
振舞われ美味しく戴きました。今夜は、24時迄食堂の照明は落とさないで
NHK紅白やゆく年くる年を見てたようだが僕は早立ちだったこともあり20
時頃には早々に就寝。

2017/1/1
5:30朝食とお屠蘇を戴く、今日の天候は悪くない様だがガス立ち込める中御来光は望めそうにもないのでゆっくりと山頂に向かう事にする。
7:20燕岳に向けて燕山荘出発、北風の為に左頬が軽い凍傷になる。おまけにゴーグルが曇り歩くのに支障が出たので一時山荘に戻り落ち着くのを待ってから再出発。

8:13誰もいない燕岳に登頂、ところどころに雲がかかってはいるが独り占めの絶景をしばし楽しんだ、暫くすると途中追い越した燕岳には何回も登っているという年配の女性が登ってきた。年代物のピッケル持参でゆっくり歩く姿はどんな所でも安定していて様になっている。小屋への帰りは登って来る登山者に道を譲りながらゆっくり戻る。行きには判らなかったイルカ岩を見つけてこれがそうか!と雪にまみれた姿を写真に収める。

                9:20燕山荘から中房温泉に向けて下山、山荘の同部屋で知り合った二人とゆっくり下
                山、今日もお天気に恵まれそうで合戦尾根は光り輝いて気持ち良い、登ってくる登山
                者と言葉を交わしながらゆっくり降る。遠く正面には八ヶ岳や富士山が見えなんだか
                幸せを感じるひと時でした。

                12:30中房温泉に到着。

                15:20宮城ゲートPに到着。

                20:30温泉に入り疲れを癒して1時間程の渋滞に捕まり自宅着。

                冬季のこのコースは中房温泉でテン泊か、宿に泊まって翌日早朝に登るのもお勧めで
                す。特にテン泊は温泉の地熱で暖かに過ごせるそうです、夏には大変でしょうが、、

下山後に燕山荘のブログを見ると1~3日だけ日の出が見れなかったようですがその後は日の出も含めて天候は良かったそうです。とは言え5日はマイナス17℃まで下がったそうです、本当の冬山はこれからです。
ページTop へ

2017年02月01日会報掲載文章:掲載文章

2016年11月号より

戸隠山(蟻の塔渡~本院岳~西岳)10/22       篠原延和

週末お天気なのを確認にして北信越の山に向かいました。紅葉も楽しみです。
戸隠高原鏡池は写真愛好家のスポットのようです。
                  夜明け前には駐車場に入りきれない車の路駐で込み合っていました。
                  但し皆さ ん写真を取るとこの場を離れて行くのか山から戻った時には駐車場に
                  は、私の車とガードマンの車しかない状態です。
                  この鏡池の周辺道路は8 時~16時はシャトルバス運行で一般車両は入れないよう
                  になっています。




 (カメラを構える多くの人たち)

但し、8 時前に入って出る場合は一通
で出してくれます。
朝食を済ませ鏡池に向かうと池の前は
カメラを構えた愛好家で埋め尽くされ
ていました。              (鏡池から、一番高いのが本院岳)

目の前に西岳と 本院岳が見事な岩肌と紅葉のコントラストが素晴
らしい 眺めです。
登山口の奥社に着いてお参りをして入山届を提出してスタートし
ます。2人と1人の登山者の前に出て上へと歩を進めると百軒長屋
を過ぎて鎖場を幾つか登って行くと蟻の塔渡20mが出てきます。
肩 幅くらいあるので高 所恐怖症でなければ歩いて行けます。
右を巻いて行くルートにも鎖が取り付けられて足場も見えます。
左側は150mの絶壁で一 歩を踏み出すのに全身に「ヨシ!」と気合
を入れて、下方に目の焦点を合わせると高 度感を感じるので正面
を向いて歩いて行けば何とか渡れるものです。進んで20mの所に
段差が出てきます。ここは手をついて下に降りて、その先の剣の
刃渡5mを越えて渡り終えることが出来ました。
少し登って八方睨です。見下ろすと蟻の塔渡の狭い尾根を望む  (八方睨から見下ろした蟻の塔渡、中間点に人がいる)
事が出来ます。    
写真中央に小さく写っているのは人です。進行方向と反対側 に見える戸隠山をピストンします。標識の向こうに明日登る予定の高妻山が高く見え ています。戻ってくると途中追い越した青年と話をすると矢張り一か所は手をついたようです。信州大の学生さんとのことでした。彼はここから一杯水避難小屋を経て下 山するとのことです。ここからは一旦急な道を下って見上げると本院岳が高く聳えています。道は右から巻いて上に出ます。ここから派生するダイレクト尾根は急です。正月ここに登りに来て予備日を使い果たし最終日 24 時間以上夜通し歩いて戸隠に下山したことを思い出しました。しばし休憩しながら景色を眺めます。尾根筋を下って鎖場を登り返すと西岳です。見下ろすと出発した鏡池も小さく見えます。その向こう側に裾野を広げた飯縄山や黒姫山がこっちの方にも来なさいよと誘われているような 気がします。(過去に同じく紅葉の頃登っています)
(八方睨から見下ろした蟻の塔渡、中間点に人がいる)
                   西岳からの下り左側が切れ落ちた狭いトラバース道があるので 慎重に歩を進
                   めます。第一峰付近手前の眺めのいい場所で2人2 組がランチ中です。
                   私は先程本 院岳で休んだので挨拶して通り過ぎいよいよ鎖場が連続する下降へ
                   と向かいます。岩場には全 て鎖かロープが下がっていますので離さない限り安
                   全です。垂直な岩場もありますが足場もあるので一歩一歩しっかり足を置けば
                   大丈夫と思います。川の音が聞こえて来てここからがもうひと踏ん張りです。
                   鏡池から流れ出る川沿いに登らなければなりません。これが結構堪えますが登
                   り終えて車道を左に進むと出発点鏡池に戻ります。
                   シャトルバスが着く度多くの人が下車して紅葉狩りを楽しんでいます。
(本院岳から派生しているダイレクト尾根)

私もしばし池の前の芝生に腰を下ろし目の前に聳える岩稜コースを眺めながら感慨に浸りました。 明日は高妻山に登り下山後善光寺に参拝して明後日は雨飾山に登ります。
ページTop へ

2016年11月01日会報掲載文章:掲載文章

2016年10月号より

岩手葛根田川(8/6~7)  近藤 靖子

池袋より夜行バスで向かい朝の6:00ごろ盛岡の駅前に到着。ファストフード店で朝食を食べ、タクシーで葛根田地熱発電所へ向かう。タクシーを出るとアブに囲まれる。白い毛に覆われた目の真っ青なアブが美しい。入渓地点にある葛根田地熱発電所は日本でも有数の地熱発電所とのこと。まるで映画の世界に入り込んだような異様な光景。地熱発電は初めて見た。硫黄に腐食する太いパイプが道沿いに続いており、湯気がもくもくと上がる。排水弁からシューシューと音をたてて蒸気がふきだし、水がしたたっていた。石垣は地熱で温かく、側溝の金網は腐食している。発電所を過ぎ少し歩けばすぐに入渓だ。舗装路の終わりで沢の装備を整え、いざ葛根田遡行が始まった。
沢は沢遊び程度にしか登ったことが無い。葛根田川は川幅、水量と今までのものとは違いずいぶんと立派な沢だった。水は穏やかだ。大きな川幅のゴーロ帯、一跨ぎできるゴルジュ帯、砂地、沢の形は歩くほどに変わり景色を楽しむことができる。左右に生える植物も鮮やかで、生き生きとしている。ひざ下の水量の沢を徒渉する。慣れない徒渉に慎重に歩みを進めていたが、隣の篠さんはざぶざぶと沢を渡る。そうか行けるのか、と真似をして臆さず歩いてみる。意外といけた。目の前にいる大ベテランをよく観察しながら、歩きを盗もうと目を凝らす。なるほどそこを歩くのか。その石に乗るのか。なるほど。篠さんは石を渡りながらひょいひょいと歩いてゆく。見ていて気持ちがいい。真似をするけれど、水の流れにどう足を置いたらいいのか、水流に体がもっていかれ、なんてことない石ころに足をとられ四苦八苦しながら歩いた。しかしとても楽しい。水はおもったよりも暖かかったが、上に行くほど冷たくなった。イワナがいると聞いていたがなかなか魚影が見つからない。葛根田川にはキャッチ&リリース区間がある。1匹だけ見つけたが、こんなに少なければとることもない。
岩を飛び歩くことは苦手だ。一跨ぎして対岸に移る所で臆していたら、篠さんに「ここを渡ったら葛根田川一跨ぎしたってことだね!」といわれ、単純な私はそれはいいと勢いを出して沢をとび、またぐ。左右が石壁になっており、石壁はなめらかに地面まで続く。足元で水面と平行になる。不思議な形状だ。水の深さは2M以上あり、水路になっていた。水の色が美しく、まるで水槽を覗き見ているようだった。
目的のキャンプサイトに着くが、いい場所が無い。火おこしの跡もあったが沢と1、2メートルほどしか離れておらず、ビバーク地としては適さない。よい場所を探し随分と上の方まで歩いた。
その日は結局、稜線に出た先の無人小屋で泊まることになった。
沢が終わりやぶを漕ぐ。詰めれば詰めるほど斜度を増す。足場は不安定な急斜面、笹があるのが救いだ。ぐっと引っ張っても強い。笹の根元をつかみよじ登った。しかし、稜線は思ったものと違い、藪は終わらない。今度は笹と木のMIXだ。倒木が歩みを拒み雑木の枝が荷物に引っ掛る。細竹のように手で押しやってもしならないのがいやらしい。突き進めば登山道に出るはずだったが、それらしいものにぶつからない、どうも多くの人が入る所ではないのかもしれない。しばらく藪と闘い、ついに湿地に抜けた。湿地にはわずかながら花が咲いていた。木道のない湿地。水芭蕉も豊富だ。花盛りの時期、ここは素晴らしい景色になるだろうと、思いを巡らせる。小屋は湿地から少し森に入ったところにある。また藪を覚悟したが、ほどなくして登山道を発見し小屋までたどり着いた、登山道は獣道に毛が生えた程度である。小屋には先客が一人いた。
八瀬森山荘(やせもりさんそう)。コの字型で、中央部にテーブルがある、その上には煙突が付いていて、土間の隅には小さな薪も積んである、布団は干された状態で用意され、トイレは2階。立派で快適な小屋だった。装備を解除し、待ちに待った夕飯。缶詰の炊き込みご飯に味噌汁、篠さんが用意してくれた山屋めしとつま。ピーマンの肉詰めならぬコンビーフ詰め、これがとてもおいしかった。ストーブの火で焼く。ジューシーな油とピーマンがうまい!焦げはご愛敬。寝る直前ヒメネズミが顔を出したので、急遽荷物類を梁に付けられた針金につるし上げ就寝する。快適すぎる夜を過ごしてしまった。朝食もよかった、韓国の辛ラーメンにトック。トックは韓国のお餅だが、日本の餅のように溶けることがなく、
歯切れもよく食べやすい。食べたいだけ入れることができ、また、すぐに煮え
るので増やすこともできる。これはいい。
2日目は大深岳をへて松川温泉へ下る。おじさんの情報によると大深岳まで
大変な藪が続くとのこと。「登山道は足で探りながら歩くようだ」と。しかし
前日のひどすぎる藪を歩いた後のため、足元に道があるだけでも違う。目の前
にかぶる程度の笹はクッションのようで。快適にすら感じた。…とそれは言い
過ぎかもしれないが。笹漕ぎには慣れてきた。
三ツ石の分岐に着く。道が開けた。それまで廃道寸前の道を歩いてきたのに突
如として整備された立派な登山道が現れた。階段まである。道ありがたさを改
めて感じた瞬間だった。湿地を守るためにあえて最低限の整備しかしていない
のか、単純に需要が少ないからなのかはわからない。靴に履き替え快適な登山
道を歩く。足がふやけたせいで、靴に履き替えても少し痛い。展望のない大深
山をへて松川温泉に下る。下る途中、草刈り機で道を整備する女性とすれ違っ
た。華奢なのに、たくましい。来た先を告げると「あぁ、あっちはねぇ、大変
だったでしょう。ふふ」と微笑んだ。時間に余裕があったので途中の水場でゆ
っくりと休憩をする。水がともかく美味しかった。ゆっくりしすぎたかそこか
らの篠さんはかなりのハイスピードで山道を下って行った。              葛根田大滝の前で
早い(笑)それはそれで歩くに面白かったが。いよいよ高度を下げ温泉地に近づくとわずかに香る硫黄臭と、吹き出す温泉のシュー!シュー!という音が聞こえてきた。温泉は白濁の湯炭酸泉。秘湯の湯に入る素晴らしい泉質の湯だった。秋は紅葉が素晴らしく、なめこがたくさん生えるそうだ。時期も時期でキノコはツルタケくらいしか見つからなかったが、ぜひ天然のなめこを拝みに来たくなった。
ページTop へ

2016年10月01日会報掲載文章:掲載文章

2016年9月号より

北アルプス 黒部上の廊下(8/11~15)  篠原延和

 世田谷山友会Aさんの同行を得てお互い2回目の黒部川上の廊下に行く事になった。扇沢駐車場はほぼ満車である。車内で仮眠。明けて11日お天気は最高、今日は山の日である。7時半出発のトロリーバスに5時から出札口に並んだのだがもうすでに3~40人近くの人が列を作っていた。新宿からの夜行バスが5時半ごろ到着した時にはもう150人位が並んでいたと思う。列はほとんどが観光者のようであるが見渡すと登山者も目に付く。明らかに沢に行くと思われる若者グループも何組かいるようだ。始発バスに揺られ久し振りの黒部ダムとご対面。観光放水も出ている。次のケーブル駅から多くの人達と別れ左に折れて黒四ロッジを過ぎて平の渡しに向かう。多くの人達が12発の出航時刻を待っている。見回すと我々が一番の年長者のようだが、でも気持ちは若く40代の積りでいる。昼飯を食べながら待つこと約2時間、30分前から皆さん船着き場へと向かって行く。我々もせかされるように20分位前に行くと階段には多くの人が待っている。船長さんが下りてきて人数をざっと確認して、2度の出航ですと伝える。我々は20人目位に並んでいて最初の乗船であった。奥黒部ヒュッテまでの道は崩落が激しく丸太橋の新しい付け替えが多くあり厳しさを物語っている。本日我々はヒュッテ泊。受付で聞くと本日の入渓者は33人いるらしい。ほとんどが小屋前にテント泊のようである。早い人は更に先へ向かって行った。小屋泊の入渓者はもう1組3人である。3時に風呂に入り小屋前のベンチで明日からの上の廊下に乾杯をする。
明けて12日。朝食後7時小屋前で身支度をして黒部の川に足を入れる。早速徒渉の繰り返しで遡行して行く。ヒュッテの佐伯さんから今年は降雪も少なくここ数日大雨もないので水量は少ないと聞いていたが以前と比べてそう思う。下の黒ビンガ(富山地方の方言で切り立った大岩壁)を過ぎるといよいよ口元のタル沢手前のゴルジュである。ここで先行数パーティが突破に奮闘している。小屋を6時に出発したと言う3人組も順番待ちしていた。我々も後に続いて右岸を泳いで進み
               そこから左岸に泳いで渡り、その先は岩場を登り下がっているスリングを利用して越え
               る。ここを突破できないで敗退する人達もいると言うがAさんのルーファンでそこにい
               た人達の先頭に出る。ここからも何度か胸まで浸かったり、泳いだりして徒渉を繰り返
               す。広河原に出て本来ならこの辺りで幕営だが水量が少ないせいでロープ徒渉も2回程
               で来ているので時間的ロスが少ない。上の黒ビンガは膝上位の徒渉で通過する。
               見上げる程の黒い岩の大岩壁である。空は青い。

   口元のタル付近で

遡って金作谷出合は川幅も広く時間は丁度12時。ランチとする。
ここまで順調である。ランチ後もまた徒渉、泳ぎ、へつりを繰り返しながら
遡行者に追い越されたり追い越したりしながら遡って行く。Aさんが前回2日
目に泊ったと言う岩苔小谷出合を本日の幕営地としていたが、先行者が目視
出来たため100mほど手前の沢出合に14時50分ザックを下ろす。今回は2泊目
の所を1日で来ているのだから今年の黒部上の廊下遡行者は歓迎されている
のだと思う。私も以前来た時には沢中で2泊しているので矢張り今年はラッ
キーと思う。早速薪を集め、タープを貼って薪に火を付けて宴の準備完了。
火を見つめながらの一杯は至福の時間である。                    上の黒のビンガ
                13日、今日も朝から天気が良い。6時出発して7時、再会を楽しみにしていた立石
               奇岩に着く。この観音様が立っているような奇岩、以前来た時の強烈な印象が残って
               いるので今回の楽しみの一つを果たせて嬉しい。ここを過ぎると流れもやや穏やかに
               なり山場を越したことになる。左からE沢から始まり5本目のA沢に来ると高天原~薬師
               沢間の登山道に出合う。高天原から下山してきた10人ほどの登山者がくつろいでいた。
               ここで沢装備を解いて登山者になり高天原温泉に向かい、混浴(女性は水着を着用)の
               温泉でビールを飲みながら疲れをいやす。
               小屋の本日は2枚の布団に3人だが昨日は5人だったと言う。
                14日。今日もいいお天気で朝食後5時半頃温泉沢の頭に出て赤牛岳に登り奥黒部ヒュ
               ッテに戻って食料が1泊分残っているので素泊まりとする。ヒュッテの佐伯さんに依る
               と今年の敗退者はいなかったようである。条件が良かったのだと思う。
                15日。予定より1日短縮して黒部ダムに戻り多くの観光者に交じりながら扇沢に帰っ
               て来た。思い出に残る5日間になりました。

   立岩奇岩を背に
ページTop へ

2016年09月01日会報掲載文章:掲載文章
» 続きを読む